キクとイサム
監督:今井正 大東映画第一回作品。今井正監督がメガホンを取った社会的作品。戦後日本の恥部を叙情的に描いている。
戦後、街頭に現れた私娼をパンパンと呼んだが、その忘れ形見で、黒人との混血児であるキク(高橋恵美子)とイサム(奥の山ジョージ)の姉弟。福島、会津磐梯山に、祖母しげ(北林谷栄)と3人で暮らす。
キクは小学校6年生、イサムは小学校4年生で、二人ともかなり腕白。乳児の頃から二人を育ててきたしげも、もう手に負えない。町での周囲の視線も跳ね返し、いじめにも負けない。
ある日、しげばあさんは町の病院で診察を受ける。ばあさんは診察後、院長に二人の孫のことを語ると、院長は、アメリカの家庭へ養子縁組の世話をする団体に頼んでみようと言ってくれた。
一方、姉弟のもとへは、カメラを提げた見知らぬ男が現れた。男は、仲間と遊んでいたイサムの写真を撮る……。
主演の子役二人は、東京荒川区の小学6年生と横須賀市の4年生で、今井監督のもとで演技指導を受けて出演したという。二人の演技に注目。
その他の賞
監督賞 山本薩夫「荷車の歌」全農映画
「人間の壁」山本プロ
脚本賞 水木洋子「キクとイサム」大東映画
男優主演賞 船越英二「野火」大映
女優主演賞 北林谷栄「キクとイサム」大東映画
男優助演賞 宇野重吉「人間の壁」山本プロ
女優助演賞 吉行和子「才女気質」日活
「にあんちゃん」日活
撮影賞 宮島義勇「人間の条件」にんじんくらぶ/人間プロ
美術賞 鈴木孝俊「浪花の恋の物語」東映
「大菩薩峠・完結篇」東映
音楽賞 林 光「第五福竜丸」近代映画
「荷車の歌」全農映画
「人間の壁」山本プロ
録音賞 橋本文雄「才女気質」日活
「にあんちゃん」日活
教育文化映画賞 「秘境ヒマラヤ」読売映画社
「うわさはひろがる」第一映画社
「癌細胞」東京シネマ
ニュース映画賞 日活世界ニュース「希望訪問・水俣病をさぐる」を含む第257号毎日映画社
特別賞 杉山公平*勤続40年にあたり、日本映画の撮影技術の向上ならびに後進指導に尽くされた功績
演技特別賞 高橋恵美子・奥の山ジョージ「キクとイサム」大東映画