砂の女
監督:勅使河原宏 前衛映画の巨匠、勅使河原宏監督制作。「おとし穴」に続く第2作で、同じく安部公房原作、瀬川浩撮影で作られた。カンヌ国際映画祭でも絶賛された独創的な作品。
暑さが残る8月、砂丘地帯に昆虫採集にやってきた高校教師(岡田英次)。夕暮れとなり、砂丘の部落に住む艶めかしい30前後の後家(岸田今日子)の家に一夜の宿を借りた。家は蟻地獄のような穴の底にあり、常に砂に浸食されている。
女は、夜が更けると砂の浸食から家屋を守るために、砂かきを始める。女は一晩中砂をかき続ける。翌朝目覚めた教師は、砂にまみれて素っ裸で寝ている女を見つける。理解不能な不気味な世界から逃げるように家を出るが、崖から下ろされていた縄梯子がなくなっていた。教師は、自分が帰れないことを知り……。
安部公房の原作は読売文学賞を受賞した名作。文明の囚われ人となった人間への痛烈な風刺が込められている。「砂の女」を怪演する岸田今日子の代表作となった。
その他の賞
監督賞 勅使河原 宏「砂の女」勅使河原プロ
脚本賞 八木保太郎「越後つついし親不知」東映
「愛と死をみつめて」日活
男優主演賞 西村 晃「赤い殺意」日活
女優主演賞 京 マチ子「甘い汗」東京映画
男優助演賞 三木のり平「香華」松竹
女優助演賞 楠 侑子「赤い殺意」日活
「おんなの渦と淵と流れ」日活
撮影賞 姫田真左久「赤い殺意」日活
美術賞 平川透徹・山崎正夫「砂の女」勅使河原プロ
音楽賞 武満 徹「暗殺」松竹
「砂の女」勅使河原プロ
録音賞 神保小四郎「赤い殺意」日活
教育文化映画賞
科学映画 「結晶と電子」東京シネマ
児童映画 「白さぎと少年」東映株式会社
教養映画 「美しい国土―その生いたち」東京シネマ
産業映画 「日本のさけます」日本シネセル
(企画賞) 「北海に生きる」貯蓄増強中央委員会
「父と母とその子たち」貯蓄増強中央委員会
「アメリカの家庭生活」貯蓄増強中央委員会
ニュース映画賞 朝日ニュース「大臣のイス」を含む第993号日本映画新社
特別賞 帰山教正*日本映画草創期における先駆的な映画啓蒙運動の功労
佐田啓二*多年にわたり大衆に親しまれた演技者としての功績
大藤信郎賞 「殺人MURDER」和田 誠*風刺的なアイデアと秀れた音楽処理により動画映画に新しい境地をひらいた