津軽じょんがら節
監督:斎藤耕一 故郷津軽の田舎ぶりを嫌い、東京のバーで働いていたイサ子(江波杏子)だったが、津軽に戻ってきた。チンピラ風の若い男を連れて――。
男は岩城徹男(織田あきら)。頼まれもしないのに、鉄砲玉となって、別の組の幹部を刺したために追われる身だった。イサ子は徹男を匿うために帰郷したのである。
イサ子の実家だった海辺の小屋は、近親相姦や、父親の自殺があったために村八分にされていた一家が住んでいた。そこに住んでいた盲目の少女ユキは徹男に惹かれていく。単調すぎる毎日で退屈しきっていた徹男も、ゆきと遊んでいるときは明るかった。
やがて生活に行き詰まったイサ子は、村の飲み屋に働きに出る。徹男は村から出ようと言い続けるが、イサ子は父の墓を建てるまでは村を出ないと言い返す。だが、徹男の心が自分から離れていくのを感じたイサ子は……。
斉藤耕一監督ならでは雰囲気がある叙情的作品。津軽の自然と、漁村の悲惨な生活描写とが見事に対比され、人間の惨めさを醸し出している。
その他の賞
監督賞 山田洋次「男はつらいよ・寅次郎夢枕」
「男はつらいよ・寅次郎忘れな草」松竹
脚本賞 山田洋次・宮崎 晃・朝間義隆「男はつらいよ・寅次郎忘れな草」松竹
男優演技賞 丹波哲郎「人間革命」東宝
女優演技賞 賀来敦子「青幻記」青幻記プロ
撮影賞 坂本典隆「津軽じょんがら節」斎藤耕一プロ
美術賞 村木 忍「忍ぶ糸」東宝
音楽賞 武満 徹「青幻記」青幻記プロ
録音賞 杉崎 喬「津軽じょんがら節」斎藤耕一プロ
教育文化映画賞 「色鍋島」桜映画社
ニュース映画賞 中日ニュース第1039号・特集「たとえぼくに明日はなくとも」中日中日映画社
大藤信郎賞 「南無―病息災」潟Gコー*庶民の切ない祈りをこめた絵馬にモチーフをとり、その素朴な画風をフォーク調の歌と語りに乗せて昔噺を構成し、アニメーション映画に滋味豊かな新分野を展開した