HOME > 毎日映画コンクールについて > 毎日映画コンクールの歩み > 49回 全身小説家

毎日映画コンクールについて

毎日映画コンクールの歩み

49 1994年

第49回毎日映画コンクール(日本映画大賞)受賞

全身小説家

監督・撮影:原一男
製作:小林佐智子
出演:井上光晴/埴谷雄高/瀬戸内寂聴

第18回日本アカデミー賞(特別賞)受賞

 もともとの趣旨は、「地の群れ」や「虚構のクレーン」などで知られる作家・井上光治に迫るというものであったが、撮影準備が整った段階で井上が癌に罹っていることが発覚。企画を急遽変更し、病と死を記録したドキュメンタリー作品となった。
  井上は、1977年に佐世保で文学伝習所を開き、その後全国13カ所にまで広がったが、各地で井上自身が教鞭を執っていた。その伝習所でのエピソードや生 徒たちとの交流、埴谷雄高、瀬戸内寂聴など、数少ない文壇での友人の証言を通して、井上の「生」そのものをとらえようとしていく。
  井上の癌は、 まずS字結腸癌が発生。手術はいったんは成功するものの、後に肝臓へ転移。カメラは闘病する井上の姿も撮り続ける。だが、1992年5月、井上は死去す る。映画は、井上の死後も続き、関係者への取材から、彼の発言や原体験が虚構だったことを暴き、真実の井上を明かしていく――。
  モノクロのイメージシーンを挿入しながら、現実を追おうとする意欲的なドキュメンタリー作品。

その他の賞
日本映画優秀賞 「居酒屋ゆうれい」サントリー/テレビ朝日/東北新社/キティ・フィルム
         「119」松竹/テレビ東京/イメージファクトリー・アイエム
         「忠臣蔵外伝 四谷怪談」松竹
         「夏の庭 The Friends」読売テレビ
         「棒の哀しみ」ユニタリー企画/ティー・エム・シー/ヒーロー
監督賞 神代辰巳「棒の哀しみ」ユニタリー企画/ティー・エム・シー/ヒーロー
脚本賞 田中陽造「居酒屋ゆうれい」サントリー/テレビ朝日/東北新社/キティ・フィルム
         「夏の庭 The Friends」読売テレビ
男優主演賞 奥田瑛二「棒の哀しみ」ユニタリー企画/ティー・エム・シー/ヒーロー
         「極道記者2」大映
女優主演賞 吉永小百合「女ざかり」松竹
男優助演賞 中村敦夫「集団左遷」東映京都
女優助演賞 室井 滋「居酒屋ゆうれい」サントリー/テレビ朝日/東北新社/キティ・フィルム
撮影賞 栢野直樹「800 TWO LAP RUNNERS」サントリー/ポニーキャニオン/ ニュー・センチュリー・プロデューサーズ
美術賞 井川徳道「東雲楼 女の乱」東映京都
音楽賞 梅林 茂「居酒屋ゆうれい」サントリー/テレビ朝日/東北新社/キティ・フィルム
         「トカレフ」サントリー/バンダイビジュアル/荒戸源次郎事務所
録音賞 柿澤 潔「棒の哀しみ」ユニタリー企画/ティー・エム・シー/ヒーロー
         「トカレフ」サントリー/バンダイビジュアル/荒戸源次郎事務所
記録文化映画賞
  長編「渡り川」渡り川製作委員会
  短編「十三代今右衛門 薄墨の美」桜映画社
スポニチグランプリ新人賞
     野村祐人「800 TWO LAP RUNNERS」サントリー/ポニーキャニオン/ニュー・センチュリー・プロデューサーズ
     鈴木砂羽「愛の新世界」Gカンパニー/東亜興行
外国映画ベストワン賞
     「さらば、わが愛/覇王別姫」ヘラルド・エース配給
日本映画ファン賞 「四十七人の刺客」東宝/日本テレビ/サントリー
外国映画ファン賞 「シンドラーのリスト」UIP配給
アニメーション映画賞
     「平成狸合戦ぽんぽこ」徳間書店/日本テレビ/博報堂/スタジオジブリ
大藤信郎賞 該当作品なし
田中絹代賞 久我美子
宣伝賞 ※本賞とは別の宣伝賞は次の通り
  最優秀賞 東映「超能力者 未知への旅人」
  優秀賞 松竹「女ざかり」
      UIP「シンドラーのリスト」




1994年の動向

向井千秋
「がんばってきます」と大きく手を振りながら笑顔で米スペースシャトル「コロンビア」に乗り込む初の女性日本人宇宙飛行士向井千秋さん

名古屋空港での中華航空機墜落炎上事故で被害にあった個人乗客の遺族が遺族会を結成したのち、花束などを手に事故現場を訪れた