[ 第2回 ] アップした時の幸福感は言葉じゃ表せない
1999年、ミュージカル「アニー」のオーディションで1万人の中から選ばれてデビュー。01年「リリイ・シュシュのすべて」で映画初出演するが、この頃は「映画は思い出作り」のつもり。「『ドラえもん』しか見たことがなかったし、撮影も待ち時間で騒いでいる方が楽しかった」
それが次々と役が付き、そのうちにオーディションではなく指名で仕事を依頼されるようになる。
「私に対して望んでることがあって、任せようとお話を下さる。そう思ってくれた人をがっかりさせたくないし、自分でもがっかりしたくない。だから、役として相手に反応できるように、できる限りのことはして現場に行くように心がけています。役の知識や作品のメッセージやテーマを自分なりに入れた状態で」
だから、最近では作品への評価を気にしなくなった。
「準備の甘さがあると後悔もするけれど、誰よりも作品のことを大事にしたという思いがありますから。撮ってる間は苦しかったり怖かったりするけれど、アップした時の幸福感は言葉じゃ表せないほど大きくて。箇条書きにしたら、俳優はプラスよりもマイナスの数の方が多いかもしれない。でもプラスが大きくて、マイナスの経験もプラスになっていくんです」 緊張なのかはにかんでいるのか、伏し目がちに言葉を選びながら。でも話す内容は力強い。
「常に変化しながら、一つ一つの出会いを大切に。地道でも出し惜しみすることなく。それでもう少し、一緒の人たちを支えられたらなと思います」。「1年のつもり」で福岡県から上京した少女は、着実に女優への道を歩き始めた。
(撮影:毎日新聞写真部 平田明浩)
1985年福岡県生まれ。
ミュージカル「アニー」(99)で約1万人の中から選ばれ、デビュー。『リリイ・シュシュのすべて』(01)で映画デビュー。その後、『害虫』(02)、『1980』(03)、『花とアリス』(04)など、映画を中心にテレビ、CMでも活躍中。『星になった少年』、『変身』(05)、『ハチミツとクローバー』(06)など数多くの映画作品に出演し、女優としてのキャリアを重ねている。