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受賞者インタビュー

第61回コンクール

檀れい

[ 第1回 ] 稽古と初日と千秋楽がいっぺんに来た

ステージで咲かせた花が銀幕でもいきなり満開だ。「武士の一分」で毒味役を務める下級武士・三村(木村拓哉)の妻加世を演じた檀れいがスポニチグランプリ新人賞に輝いた。
 「頑張ったご褒美と、これからも頑張りなさいという激励の意味もあるのかな」
 謙虚な言葉で喜びを口にしたが、夫の失明によって傾いた生活を守りたい一心で、夫の上役に身までささげ葛藤する姿はとても初めての映画体験とは思えない迫真演技だった。
 京都府出身。90年に宝塚音楽学校に入学し、92年に「この恋は雲の涯まで」で初舞台。99年に月組、03年には星組の娘役トップに就任し、2度の中国公演では「楊貴妃の再来」という賛辞まで受けたスターだった。
 一昨年8月に惜しまれつつ退団。「スクリーンの向こう側に行きたいとずっと思っていた」と明かすが、直後に届いたのが山田洋次監督からのラブコール。「台本も読まずに出演を決めました」と振り返る。
 もちろん撮影に戸惑いもあった。「その日その日にOKを出さなければならなくて、舞台をやっていた私にとっては稽古と初日と千秋楽がいっぺんに来たようでした」  山田監督からは「生地のままでいてください」とのアドバイス。
 そのままのたたずまいが絵になった。「映像で通用する演技をつかむため、今はただただ勉強です」と明日を見据えた。(S)

1971年、 京都府生まれ
90年宝塚音楽学校に入学。92年雪組公演「この恋は雲の涯まで」で初舞台。93年月組に配属。新人公演でその凛とした美貌と芝居心のある舞台姿が注目される。99年月組全国ツアー公演「うたかたの恋/ミリオンドリームズ」より真琴つばさの相手役として主演娘役を務める。01年、初の外部公演となった浜木綿子主演の現代劇「極楽町一丁目〜嫁姑地獄編〜」に出演。また、99年、02年と2度の中国公演にも参加し、“楊貴妃の再来”と現地で人気を博す。03年星組の主演娘役に就任し、湖月わたるの相手役となる。同年「王家に捧ぐ歌」が第58回文化庁芸術祭演劇部門優秀賞を受賞。05年8月宝塚歌劇団を退団。退団後は、同年10月能楽劇「夜叉ヶ池」の百合役で出演。能の梅若六郎、野村萬斎らと共演。映画出演は今回が初めて。