体当たりでイメージ壊し
受賞作「ワルボロ」で演じたコーちゃんは、暴れる快感に目覚めて優等生から一転、だんだん気合の入った不良になっていく役柄。激しいけんかの場面も含め、コミカルに元気いっぱい演じた。
テレビドラマ「花より男子」などの役どころとは大違い。「イメージを壊し、暴れたかった。トコトン不良になって、画面からはみ出すくらい」。アクションも「スポーツみたい」と体当たりで挑んだ。
自分を変えるチャンスと臨んだ撮影を乗り切り、「頭のどこかが解放された気がする」と晴れ晴れとした表情だ。受賞という結果もついてきた。
しなやかな体、鋭いまなざしに、父・松田優作の面影がある。母の松田美由紀、兄の龍平も俳優の芸能一家。「俳優は生まれたときに初めて知った職業」と、今の道には来るべくして来たようだ。「家では演技の話ばかり」という。
「演技は自分の精神や哲学が整って、初めて楽しめる。意識や価値観を変えていきたい。たとえ筋が通らないと言われても。難しいけれど、魅力的なことだと思う。でも自分の中の闇、トゲは消したくない。優しい人、何でも屋になる必要はないから」
22歳。将来が楽しみな逸材だ。
(文:毎日新聞社 勝田友巳、撮影:同 三浦博之)
1985年東京都生まれ。「ヤンキー母校に帰る〜旅立ちの時不良少年の夢」(05/TBS)で俳優デビュー。映画デビューは『陽気なギャングが地球を回す』(06/前田哲)。同年『長い散歩』(06/奥田瑛ニ)に出演。そして、映画出演3作目の『ワルボロ』(07/隅田靖)にて初主演。同作では大ヒットドラマ「花より男子」(05/TBS) のお坊ちゃま役や「LIAR GAME」(07/フジテレビ)の天才詐欺師といたクールで完璧な役柄とは違う不良役を演じ、スクリーンを縦横無尽に暴れまわった。なお、00年には『御法度』(大島渚)で兄・龍平も同賞を獲得。兄弟による受賞は史上初の快挙となった。その他の主な出演作品として「花より男子2」(06/TBS)、「レガッタ」(06/テレビ朝日)、「女帝」(07/テレビ朝日)など。若手としてドラマ、映画と幅広い活躍を見せ、現在「薔薇のない花屋」(フジテレビ)に出演中。