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受賞者インタビュー

第61回コンクール

中谷美紀

[ 第1回 ] 原作を読んで、自分から参加した

 「身に余る賞でうれしく思います。がんばったスタッフや、自分が映らないにもかかわらず無駄を無駄とは思わずに演じてくれたキャストの方々のエネルギーに支えられました」と澄んだ声で語る。
 中島哲也監督の「嫌われ松子の一生」で、中谷は20代で教師をクビになり、ソープ嬢、殺人犯、教え子だったヤクザの情婦など、波乱万丈な生涯を送る主人公・松子を生き生きと演じた。彼女は「この作品は私の映画に対する価値観を崩した」と位置づけている。
 撮影現場での中島監督はスタッフ、キャストをよく怒鳴ったという。演技のアイディアを伝えても受け入れてはもらえず彼女は困惑したらしい。「監督自身も苦しかったんでしょう。人に厳しい言葉を投げかけて、自分を孤独に陥れて、そうすることで大きなことを成し遂げるようとされていたのではないでしょうか」
 中谷は原作を読んで、自分から立候補して映画に参加した。「初めて脚本を読んだとき、自分が思っていたものと違っていました。『下妻物語』を見た方なら分かると思うんですが、現実をそのまま表に出すのではなく、フィルターで色を調整したり、CGを多用したり、素材を生かす和食ではなく、(ソースなどに手間ひま掛ける)フランス料理のような演出方法。でも、過酷な撮影を乗り越えて完成したものを見てみると、根底に流れているものに違いはなかった」

1976年、東京都生まれ。
93年、TVドラマ「ひとつ屋根の下」でデビュー。「横浜心中」(94/日本テレビ)、「長男の嫁2」(95/TBS)、「恋のためらい」(97/TBS)など多数のTVドラマに出演し、「ケイゾク」(99/TBS)、「永遠の仔」(00/日本テレビ)などの主演で高い評価を得る。映画デビューは『大失恋』(95/大森一樹)で、同年『BeRLiN』(利重剛)で初主演を飾る。その後『リング』(98/中田秀夫)、『らせん』(98/飯田譲治)、『リング2』(99/中田秀夫)、『壬生義士伝』(03/滝田洋二郎)などで映画女優としての地位を確立した。また、絵本「だぁれも知らない」や、初エッセイ「ないものねだり」を出版するなど、多方面で才能を発揮している。