飛躍の年、次につなげたい
かねてから評価の高かった演技力が、「神童」と「あしたの私のつくり方」の2作品で実証された。「大変なこともたくさんありましたが、力を抜かずにやってよかった」と素直に喜ぶ。
映画初主演作「神童」で演じた成瀬うたは、13歳の天才ピアニスト。大学生にため口で話したり、男子同級生にくってかかったり。「たしかに跳ねた感じの役。でも、中学生特有の不安定さもあって、自然体で演じることができました」
一方、「あしたの私」では、まるで正反対の、ごく普通の女子高生役。小学生時代に仲間外れにしてしまった友人との関係を、携帯メールを通じて取り戻す。セリフのない場面でも、微妙な心の揺れを見事に表現した。
2作のほかに「きみにしか聞こえない」にも主演した昨年は、まさに飛躍の1年だった。「『一人で生きている』と思っていた変な自信はなくなりました。『うれしい、楽しい』と言うだけじゃなく、次につなげなきゃ」と前を見据える。
7歳で芸能界デビュー。大人びた顔立ちは、とても15歳とは思えない。だが、はにかみながら「思いっきりダメな人間も演じてみたい」と語ったときは“少女”の顔になっていた。
(文:毎日新聞社 岸桂子、撮影:同 木葉健二)
1992年神奈川県生まれの15歳。00年に「TRICK」(テレビ朝日)で少女時代の山田奈緒子役を演じ、ドラマデビューを果たす。05年に「瑠璃の島」(日本テレビ)でドラマ初主演。主な出演作品に「クニミツの政」(03/フジテレビ)、「電池が切れるまで」(04/テレビ朝日)、「終わりに見た街」(05/テレビ朝日)、「神はサイコロを振らない〜君を忘れない〜」(06/日本テレビ)、「1リットルの涙」(05/フジテレビ)、「神はサイコロを振らない〜君を忘れない〜」(06/日本テレビ)など。外見・性格ともに“大人びている”と評価されることが多く、実年齢より年上の役を演じる事も多い。受賞対象作『神童』(07/萩生田宏治)で映画初主演。同作ではぶっきらぼうな口調で天才ピアニストを大胆に演じた。また、もう一つの対象作『あしたの私のつくり方』(07/市川準)では女子中・高校生を壊れやすいガラスのような繊細な演技で表現。対照的な役を見事に演じ分けた。現在「ハチミツとクローバー」(フジテレビ)に主演中。また、3月公開の米映画『ライラの冒険』の日本語版で声優に初挑戦する。