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受賞者インタビュー

第61回コンクール

西川美和

[ 第1回 ] スタッフの高いモチベーションに勇気づけられた

日本映画大賞は西川美和監督・脚本の『ゆれる』に輝いた。60年を超える毎日映画コンクールの歴史で初の女性監督作品、最年少32歳での受賞となった。これが長編2作目であるが、04年のデビュー作「蛇イチゴ」でも脚本賞とスポニチグランプリ新人賞を獲得している。
 今回の栄冠に「本当にびっくりしました。作品が頂いた賞、関わった全ての方々の力が評価されたのだと思います」と喜びを語り、左手の腕時計を差して「これは脚本賞の時に頂いた賞品です。それからずっと使っているんですよ」。
 また、『ゆれる』の録音を担当した白取貢さんが録音賞を受けた。「白取さんはこの作品への思いが強く、俺が良い作品にしてやる、という気持ちで来てくれた。そんなスタッフの高いモチベーションに勇気づけられましたね。監督って孤独な立場になることが多い。自分だけがのめり込んでいるのではないか、1人舞い上がっているのではないかと思いがちなんです。でも、この作品はキャストも含め情熱のある人々に囲まれ、孤独感を感じたことはなかった。現場でスタッフたちが苦労している姿を見ているので、録音賞を頂けたのはうれしい」
 西川監督はやさしく愛らしい雰囲気の人だが、作品では研ぎ澄まされた感性と鋭い洞察力で人間の内奥に切り込んでいく。

1974年、広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。学生時代より映画製作を志し、大学在学中に是枝裕和監督に見出されて、映画『ワンダフルライフ』にフリーのスタッフとして参加する。以後、様々な日本映画の現場で活動したのち、日本の典型的な家庭の崩壊劇をシニカルに描いたブラック・コメディ『蛇イチゴ』(02年)でオリジナル脚本・監督デビューを果たし、第58回毎日映画コンクール・脚本賞のほか、その年の数々の国内映画賞の新人賞を獲得した。
03年、NHKハイビジョンスペシャルでは、ドキュメンタリーと架空のドラマを交差させた異色のテレビ作品「いま裸にしたい男達/宮迫が笑われなくなった日」を発表し、第20回ATP賞・ドキュメンタリー部門優秀賞を受賞した。05年には、監督5名の競作によるオムニバス『female』にて、乃波アサ原作の短編小説を脚色・演出した「女神のかかと(主演・大塚寧々)」を発表。06年秋にはオムニバス映画『ユメ十夜』(原作・夏目漱石)が公開予定。『ゆれる』は4年ぶりの完全オリジナル長篇映画となる。