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受賞者インタビュー

第61回コンクール

佐藤浩市

[ 第2回 ] いい意味でバランス悪く、ふり幅大きくやっていく

「雪に願うこと」の根岸吉太郎監督とは、初めての顔合わせ。
「たまたまご縁がなくて。注文は多くないけれど指示が的確でやりやすかった。映画は昔からある日本映画の、兄弟、人間関係の話。脚本では目新しいことはなくて意図をつかめず、根岸監督に何でやりたいんですか、と聞いたくらい。しかし映像という三次元に起こしてみると、普遍性が良かった。監督は歯応えのある映画をやりたかったんだろうと。乗せられたのは、根岸監督の魅力なんだろうね」
固定されたイメージを嫌って、1作ごとに正反対の役を選ぶ。
「脚本がよければ一も二もなく。演出家や共演者を見て、最後は勘。自分がやんなきゃ誰かがやる、そうさせたくないと思う作品ですかね。いい意味でバランス悪く、ふり幅大きくやっていくことが楽しい」

81年「青春の門」(蔵原惟繕、深作欣二監督)で映画デビューして以来、近年も「KT」(02年、阪本順治監督)、「壬生義士伝」(03年、滝田洋二郎監督)など、役柄はさまざまでも、いずれも映画を背負う役どころ。それでも「代表作は」と聞かれて、しばし黙考。

「どの作品にも愛着はあるし、恥ずかしかったものが残ってるのかな。『魚影の群れ』なんて見直すと、ぼくだけ違う方向に向いてたなって思うしね。代表作はまだないってことなんでしょうけど。ただ、ついてるなと思うのは、『四谷怪談 忠臣蔵外伝』や『トカレフ』のような、その時々で方向性を決める作品に出会えたってことでしょうか。チョイスすることが出来る惠まれた立場で、60、70歳まで表現を続けていければ、ありがたい」

(撮影:毎日新聞写真部 内藤絵美)

1960年、東京都生まれ。
TVドラマ「続・続事件」(80/NHK)でデビュー。スクリーンデビュー作となる『青春の門』(81/蔵原惟繕・深作欣二)でブルーリボン賞新人賞を受賞する。以降、『魚影の群れ』(83/相米慎二)、『敦煌』(88/佐藤純彌)など話題作に出演。『トカレフ』(94/阪本順治)『忠臣蔵外伝四谷怪談』(94/深作欣二)で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞などを受賞した。そのほかの出演作に『KT』(02)、『亡国のイージス』(05)などの阪本順治監督作品をはじめ、『あ、春』(98/相米慎二)、『海猫』(04/森田芳光)、『THE有頂天ホテル』(06/三谷幸喜)などがある。また「プライド」(04/フジ)「新選組!」(04/NHK)「けものみち」(06/テレビ朝日)など数々のヒットドラマへの出演も記憶に新しい。