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受賞者インタビュー

第62回コンクール

大藤信郎賞・山村浩二

独自のアニメ表現を追求

 「頭山」(02年)で国内外のアニメ映画祭のグランプリを次々と獲得。米アカデミー賞の候補にもなった。「カフカ 田舎医者」も海外で受賞。毎日映コンの選考でも、当初から大本命だった。
 商業アニメに背を向け、コツコツと独自のアニメ表現を追求する。「一つずつ創造したコマを流すことで、動きが出てくる。フレームごとにアイデアが入り込む」。コンピューターに頼らず、手作りにこだわる。21分の「田舎医者」で描いたセル画は1万5000枚。1年半を費やした。
 「アニメでしかできない表現を開拓したい。技法、技術は出尽くしたかとも思うが、実験の段階は終わり、その先に成熟の可能性があるのではないか」。その熱意は、先駆者の大藤信郎と一脈通じるかもしれない。
 「カフカの作品には寓意(ぐうい)が満ちていて、実写では情報量が多すぎる。アニメが有効な表現手段」。狂言の茂山千作らを声優に起用し、画面を激しくゆがませる大胆な「精神の遠近法」を持ち込んで、カフカの世界を見事に映像化した。
 「押し付ける娯楽ではなく、考える余白を。そんなアニメを見たいという観客に向けて作りたい」。世界中のファンが新作を待っている。
(文:毎日新聞社 勝田友巳、撮影:同 丸山博)

山村 浩二(やまむら こうじ)アニメーション作家。
1964年名古屋市生まれ。1983年東京造形大学絵画科入学。1987年東京造形大学絵画科非具象コース卒業。1993年ヤマムラアニメーション(有)設立。独特の世界観をまとった手描きのアニメーションが特徴的な山村浩二の作風は、CGが全盛となった昨今のアニメーションの中では、とりわけ異彩を放つ。人間の営みの滑稽さ、可笑しさ、哀しさを内包した山村の作品は、日本のみならず、海外での評価が非常に高い。02年の『頭山』はアニメーション映画祭の最高峰、アヌシー2003(仏)にて日本人初となるグランプリを受賞。また、第75回アカデミー賞短編アニメーション部門、日本人初ノミネートを果たす。代表作は『カロとピヨブプト』『パクシ』『バベルの本』『どっちにする?』『年をとった鰐」など。本作品は、自身が手がけたアニメーションの中で最も原画枚数の多い作品となった。今年は、Animationsというアニメーション創作と評論のグループを結成した。