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学生映画見聞録

2006年12月のMVP

風と共に、去らぬっ!! 風と共に去りぬ

 ワンコインものとして店先に並んでいるのを横目に、私は多少苦労をしてでも復刻初回限定生産盤(7980円税込)を手に取る。リマスターされた映像と 5.1chサラウンド、それに、1939年公開当時のパンフレットのミニチュア付きだ。うれしい。どこぞの映画館に眠っていた、擦り切れのフィルムで大量 生産されたのでは、廉価のイメージが、その映画の内容の価値までをも下げてしまいかねない。それでは映画好きとして、寂しい。
  「映画は監督のものですから」。超話題作に主演したキムタクは、格好よく言って日本アカデミー賞を辞退したが、案外、そうでもないのでは、と思う。この作品の監督名を言えるファンは少ない。おそらく、誰の心にも、あのヒロインの勝気な微笑が、雄大なテーマ曲に乗せて浮かんでくるだろうし、けれども、実際、エンドロールで最 初に流れてくるのは、彼女へ心から尽くし抜いた男性の名である。
  「私は二度と、飢えに泣きません!」。天に誓った彼女は、底抜けに強い。大きな瞳に映るもの全てを、ギョロギョロとにらみつけながら、好きでもない男たちと何度も結婚し、困難の時代に立ち向かう。ただ、ただ、亡父との約束を、母なる大地を、守り切るために。「今では全て夢。風と共に去った」物語とはしてしまえない。現代まで、あまりに多くの人々から愛され続けている生きざま。女って怖い。もっとも、魅力的な男の支えあってこそ、のことかも知れないが。


投稿者:関西大学法学部 四年 橋本智子

[ 映画情報 ] 風と共に去りぬ
監督 ● ビクター・フレミング
主演 ● クラーク・ゲーブル
製作 ● セルズニック・インターナショナル
公開 ● 1939年鑑賞情報 ● DVD