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学生映画見聞録

2007年5月のMVP

おネエじゃない、クイーンよ! プリシラ

 70年代のディスコ音楽が流れ、ミラーボールで煌めくステージ。その中央に現れる、歩く花畑の如き強烈なスタイルの人物。派手な女装をしたドラァグク イーンのショーがこの映画の始まりだ。奇妙さと妖艶さの混在する様に魅せられた先には、彼らのリアルな世界が広がっていた。
  主人公はシドニーで活動する3人のクイーン。3人は「プリシラ」と名づけたバスに乗り、砂漠のリゾートでショーをするという夢を追いかける。年齢、経歴、好みのタイプまでまったく違う3人ではあるが、同じ「世界」に生きていることが彼らの絆だ。
  どんな時にも好きな化粧や服装を貫き、明るく振舞うクイーンたち。しかし、都会から離れるにつれて、彼らの前にはマイノリティーの壁が立ち塞がっていく。 差別に満ちたプリシラへの落書き、同性愛者だとわかった瞬間に一変する人々の態度……ひとつの「世界」は多数派と少数派に分かれており、ステージでは輝い ていた彼らが少数派であることを痛感する。もちろんクイーンの道を選んだ彼らにとって、そんなことは日常茶飯事だ。それでも、常に激しい差別と偏見にさら されて傷つく彼らとは、全てのマイノリティーに共通する姿なのだろう。
  彼らは辛い逆境もおしゃべりとダンスで乗り越える。その姿からは、自分の生き方への誇りが溢れ出ているようだ。見ている側まで元気づけてくれるような底抜けに明るいクイーンたちに、愛しさを覚えずにはいられなかった。


投稿者:早稲田大学政治経済学部・3年 佐々木まりな

[ 映画情報 ] プリシラ
監督 ● ステファン・エリオット
主演 ● テレンス・スタンプ /ヒューゴ・ウィービング / ガイ・ピアース
製作 ● 20世紀 フォックス
公開 ● 1994年鑑賞情報 ● DVD