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学生映画見聞録

2007年8月のMVP

敗者を照らす光 街のあかり

 失業を描いた『浮き雲』、ホームレスを描いた『過去のない男』――アキ・カウリスマキ監督の『街のあかり』は、これらに続く「敗者三部作」の最終章だ。今度の主人公は、愛情に飢え、夢を抱いては砕かれる孤独な男。

 警備員のコイスティネンは、家族も恋人もなく、同僚からも干され、街の片隅で寂しく暮らしている。ただ一人、海岸で売店を営む女だけが彼を見つめているのだが、その光は彼に届かない。

 そんな彼に美女が近づく。「寂しそうだったから」。ミルヤの美貌と言葉が、光となって胸に差し込む。しかし、彼女は実はマフィアの愛人。誠実で孤独で、おまけに夜警員であるコイスティネンは、マフィアに言わせれば「犬のように従順でロマンティックな馬鹿」。彼女は男を誘惑し、警備担当の宝石店の鍵を奪うために送り込まれたのだった。

 窃盗の罪を着せられたコイスティネンは、それでも恋するミルヤをかばい通す。釈放後、彼はレストランで働くが、再び現れたマフィアの妨害に遭い店を追われる。ついにナイフで復讐を試みるものの、あえなく失敗。ミルヤは冷ややかに見下すのみ。

 誠実さ・努力・無償の愛…負け犬のすべてを容赦なく打ち砕く、過酷な現実。だがこの映画に命を吹き込んだ心優しき監督は、決して敗者を見捨てない。禁欲的なまでに抑制された堅牢な映像が、宗教的な神々しさを伴って、最後にそっと差し出される――その瞬間、絶望に閉ざされた暗闇が、希望の灯りで満たされる。


投稿者:立命館大学院文学研究科・四回生 友田義行

* [ 映画情報 ] 街のあかり
* 監督 ● アキ・カウリスマキ
* 主演 ● ヤンネ・フーティアイネン
* 製作 ● スプートニク
* 公開 ● 2007年鑑賞情報 ● 京都みなみ会館